『ジェラシー』のガレルはいつになく陽気に見える。
これが父である俳優、モーリス・ガレルの身に起こった出来事を素材としているせいか、つまり自分やその世代の癒えぬ生傷を負った記憶から離れたせいか、なんとなく気軽に見える。
描写そのものはいつもと変わらない。
むしろ『秘密の子供』や『救いの接吻』の頃に若返ったかのような新鮮なショットが多く見られる。

「フィリップ・ガレル——とめどない魂(ショット ※「魂」ルビ)の悲惨」
『フィリップ・ガレル読本』(boid)より
                 青山真治(映画監督・小説家)
部屋がどんどん散らかっていく。
閉じられた屋根裏でエントロピーは増大する一方。
片付けられっこない。
堆積して沈んでいく体から漏れ出ていく二酸化炭素。
泡を食べる金魚みたいに、未だ宙に浮かんでいるエアポケットに重力のくちづけを。
ごめんね。
                 やくしまるえつこ(音楽家)
いつの時代も拭いきれない恋にまつわる『嫉妬』の感情を、ガレルはヌーヴェルヴァーグさながらのフィルムノワールへ焼きつけた。誰もが一度はもてあましたことのある醜い感情は白黒の画面だからこそ、より鮮やかに観る人の心へ迫る。
                 猫沢エミ(ミュージシャン・Bonzour Japon編集長)
傷ついても愛を求めてしまう男と女の愚かさが主題の作品ではあるけれど、家族とか血の繋がりの印象の方が強い作品。
諸行無常な人生でも誰かが傍にいてくれるなら・・・と勇気を与えてくれる作品だと私は思いました。  
                 マキヒロチ(漫画家/新潮社・コミックバンチ「いつかティファニーで朝食を」 

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